2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17122
波打ち帯は潮汐変動や波の遡上と流下により波浪場が時々刻々変化し,併せて土壌水分量も変化する.そこで,これら波浪場と共に変化する土壌水分量と地形変化の相互作用を解明することを目的とし,現地波打ち帯において調査を行った.調査では土壌水分量を計測すると共に,同地点の地盤高変化をレーザ距離計により測定し,両者の関係性の検討を行った.結果,土壌水分量は潮位,および遡上波の影響を受け周期的に変動していた.ここで,土壌水分量の変化毎に時間帯を区分し,それぞれの区間毎に地形変化との関係を検討した.土壌水分量が急上昇する区間(上げ潮時)ではその時間が短いほど堆積量が増加し,また,高止まりする区間(満潮時辺り)ではこの時間が長いほど堆積量が増加する傾向が見られた.