2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17235
海草藻場の3次元的な空間分布(植生高さや重量)の把握は,藻場の多様な環境価値の向上や活用に向けて重要である.しかし従来の計測手法では効率性と正確性の両立が課題である.本研究は計測が簡便で測量精度が高いグリーンレーザースキャナ搭載UAVで得た点群データの解析手法を,植生や環境が異なる2つの海草藻場に適用し,海草藻場の空間分布を推定した.亜熱帯性藻場では植生高さの実測値16±4cm(平均値±SD)に対し,解析値は17±2cmとなった.アマモ場ではCloth Simulation Filterによる解析が適していた(R2: 0.74, RMSE: 0.11 m).点群から推定した植生の空間体積は植生の湿重量と正の相関があったが,2つの藻場で植生高さや密度の違いによって回帰式の傾きが異なることが示唆された.