2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17286
沿岸藻場のCO2吸収量の測定は,カーボンニュートラル実現に向けた重要課題の一つであるが,UAV画像からの藻場領域の特定には多大な労力と経験を必要とする.本研究では,UAV画像を用いた藻場領域の自動認識手法を提案する.本手法では,画素レベルの意味的領域分割を可能とするモデルを利用し,最新モデルの一つであるViT-Adapterを採用する.本技術の利点は,学習済み大規模モデルの知識を有効活用して藻場領域認識を行う点であり,モデルのパラメータ調整により画素レベルでの海藻の識別を実現する.本研究では,航空写真から目視により藻場領域を特定したマスク画像を用いた学習を行い,さらに,UAV画像へ適応するためにデータ拡張等の処理を検討した.北海道えりも沿岸のUAV画像を用いた実証を行い,有効性を確認した.