2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18003
東京湾内の盤洲干潟を対象として,空中写真や衛星データをもとに干潟の長期的汀線変化を調べた.また,代表測線において干潟と前浜の縦断測量と底質採取を行い,これらより盤洲干潟の近年の地形変化について調べた.その上で,潮汐運動を一種の波と考え,風波の下で成立する平衡勾配の概念を干潟に適用することにより,干潟の形成モデルを構築した.現地調査と既往文献によれば,干潟面では潮汐による浮遊砂により,一方,前浜では波による漂砂により地形変化が生じている.これら両者を考慮した地形変化モデルを開発した.このモデルでは,干潟面上と前浜での砂のやり取りに伴う地形変化も計算できることが特徴である.