2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18004
沖縄本島の本部半島の先端部に位置する備瀬海岸を対象として,衛星画像と現地実測により,汀線付近に形成されているbeach rockの波の作用による剥離後の移動現象を明らかにした.備瀬海岸ではbeach rockが波の作用で剥離した後,剥離片が岸向きに運ばれつつ,沿岸漂砂によって南向きに運ばれた.その実態をもとに,BGモデル(Bagnold概念に基づく 3次元海浜変形モデル)を用いてbeach rockの剥離・移動を考慮した3次元海浜変形予測モデルを構築した.剥離したbeach rock片は,礫浜と同様に大きな平衡勾配を有すると仮定することにより,波によるbeach rock片の移動予測が可能となった.備瀬海岸を対象とした計算によれば,計算結果と実測結果はよく一致した.