2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18024
洋上風車の資機材搬出用の港湾では,自航式SEP船が岸壁に停泊しレグ先端のスパッドカンを海底面に着底させるが,その載荷荷重は50~250MNなどと極端に大きなものである.このため,レグ着底後に岸壁に有害な変位が残留する可能性があり,地表面付近の地盤を砕石に置き換えて支持力を増加させる対策が検討されている.しかしながら,砕石置換した地盤は一様ではないためにTerzaghi式に派生する一般的な支持力公式による支持力評価が難しい.本研究では,始めに遠心力場において砕石層を含む地盤に鉛直載荷実験を行い,支持力特性を把握した.次いで,実験で得られた支持力を推定することを目的に,円弧すべり計算法を利用した支持力評価を試みた.その結果,係数を調整した円弧すべり計算を用いることで支持力の推定精度を高められることを示した.