2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18045
東京湾沿岸域を対象としてマイクロプラスチック現存量を調査した結果,計14地点において採取した砂泥サンプルからマイクロプラスチックが検出された.さらに,東京湾最奥部の谷津干潟に生息する二枚貝類のホンビノスガイを対象として消化器系に含まれるマイクロプラスチックとホンビノスガイの個体サイズの関連性,マイクロプラスチックを添加した摂食実験から偽糞の排出量および偽糞中のマイクロプラスチック含有数を計数し,生体機能としての水質浄化能力,および生態系への影響について検討した.排出された偽糞から添加したマイクロプラスチックが検出されたが,ホンビノスガイ体内からは検出されなかった.また,マイクロプラスチック摂食に伴い濾過水量が増大し,生体機能への影響が示唆された.