2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18048
GCAを用いて造成された干潟(GCA干潟)において,下水系の有機汚泥(下水汚泥)の浄化を実現している.GCA干潟では,下水汚泥の砂径化が有機物の難分解性化を助長して生態活動を促進させている.本研究では下水汚泥が継続的に堆積して,還元的な状態にあるGCA干潟での生態系再生を促進するGCAの効果(難分解性化を伴う砂径化機構)の解明を目的とした.干潟生物調査と堆積泥の有機組成の性状分析を実施し,生物活動と有機物の難分解性化を伴う砂径化機構の関係を見出した.堆積泥の性状分析では,燃焼減量法(IL₃₀₀法)に基づいた堆積泥の燃焼温度帯ごとの有機物量,元素組成,粒度分布の分析,酸分解試験を実施した.