土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(海洋開発)論文
カルシア改質土による炭素固定の基礎検討とCO2排出量の試算
田中 裕一田村 勇一朗山﨑 彩花
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2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18047

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抄録

 カルシア改質土は,浚渫土と製鋼スラグを混合した材料であり,埋立材,干潟・浅場の造成材,深堀跡の埋戻材等として使用されている.製鋼スラグは鉄鋼製造工程における副産物であるため,カルシア改質土もCO2排出量が少ない材料であるが,さらに脱炭素化を進める方法として,カルシア改質土の製鋼スラグにCO2を固定したり,炭素含有物を混合し炭素を固定する方法が考えられる.

 そこで,配合試験を行い,CO2を固定した製鋼スラグを使用したカルシア改質土についてCaCO3含有率6~8%では強度が増加すること,炭酸カルシウムやバイオ炭を混合したカルシア改質土では強度が増加することを確認した.また,材料のCO2排出量の試算を行い,CO2固定スラグを使用したカルシア改質土やバイオ炭を混合したカルシア改質土ではカーボンネガティブとなることを確認した.

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