2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18100
我が国の北米向け外貿コンテナ貨物のうち,海外トランシップ貨物の約 4 割は,国際戦略港湾を利用している.政策目標である直航基幹航路の維持拡大のためには,国際戦略港湾以外の港湾を利用する海外トランシップ貨物を対象に,国際戦略港湾発着の直行航路利用を促すだけでなく,国際戦略港湾を利用する海外トランシップ貨物をも対象に直行航路利用を促すことが必要となる.そのため本研究では,政策立案に資する知見を得るために,国際戦略港湾利用貨物を対象とした経路選択の要因分析を行った.分析の結果,海外トランシップ利用が増える方向に最も影響を与えているのは,最終荷卸港が北米東岸であることであり,荷送人業種が各種商卸売業である場合や品目分類が軽工業品である場合なども,相対的に海外トランシップ利用が多くなる傾向にあることなどが示された.