土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(海洋開発)論文
大阪湾の沿岸部の潮間帯における堆積物の有機炭素貯留量
大谷 壮介古木 健太郎田村 生弥東 和之遠藤 徹
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2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18117

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抄録

 本研究では大阪湾を対象に都市沿岸部に位置する環境の異なる干潟,湿地帯,アマモ場の堆積物の炭素貯留量を試算することを目的に調査を行った.5つの調査対象地の堆積物の有機炭素濃度や粒度組成等は,深度方向に増加・減少傾向,またはほとんど変化しない特徴を有していた.深度1mの1haあたりの堆積物による炭素貯留量は36-117tonC/haと推定され,淀川の干潟の1haあたりの炭素貯留量が最も高かった.特に,湿地帯において植生があることで,微細粒子の沈降・堆積を促して,植生自身の炭素固定に加えて,堆積物による炭素貯留が行われていることが考えられた.以上のことから,本研究では大阪湾の沿岸域の環境の異なる沿岸域の調査地域の堆積物を対象に,深度1mの炭素貯留量を推定することができた.

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© 2024 土木学会
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