2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18139
中密な砂質土地盤(N値 = 10~30)において実施したサンプリング兼コーン貫入試験(S&CPT)の結果と調査での有用性について報告する.この試験方法はサウンディングと同時に連続試料の採取を行うものである.過去にS&CPTを用いて軟弱な粘性土地盤(N値 < 2),緩い砂質土地盤(N値 < 10)において実証実験が行われ,サンプリング性能と施工性に関していくつかの課題が示された.そこで,装置の構造を改良し,中密な砂質土地盤で現場実験を行った.その結果,以下の結論を得た.1)適切なシューを用いることで試料の閉塞を防ぎ中密な砂質土地盤においても試料の採取が可能となる.2)作業に要する時間はコーン貫入試験と比較して2~3倍程度であり,施工性は試料採取のメリットを考慮すれば極めて高い.