小型IMUを用いた可搬型船舶動揺量計測システムの構築

抄録

　本研究では，小型IMU（慣性センサー）を用いてサンプル周期100Hzの可搬型船舶動揺量計測システムを構築し，その精度と実用性について検討を行った．回転動揺量は回転角速度を入力信号，加速度と地磁気から算出した回転角を観測値とした拡張カルマンフィルタを使用して，オイラー角(Yawing，Pitching，Rolling)として物体座標系上に算出した．また，並進動揺量はYawingを考慮して絶対座標系上に変換した加速度データとGPSを用いて，絶対座標系上における変位として算出した．回転動揺量の計測精度検証実験を行い，Yawing，Pitching，RollingのRMSEはそれぞれ13.26°，0.09°，0.05°であった．また，小型船を使用した海上実験を行い，本システムの適用性を確認した．