2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18172
合田ら(1975)の越波流量算定図より,海面上昇時の越波流量と必要天端高を算定した.その結果,海面上昇にともなって越波流量は増加し,多くの場合,0.6mの上昇で越波流量が0.04m3/m/sとなった.特に消波護岸では設置水深が浅い場合の越波流量の増加が激しく,0.6mの上昇で護岸の被災限界流量0.2m3/m/sを超えている.また,周期が短い方が越波流量の増加が顕著だった.周期の短い護岸は比較的天端高が低いため,相対的に水位上昇の影響を受けやすい.水位上昇時の必要天端高は設置水深が浅いほど上昇幅が大きかった.