土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(海洋開発)論文
地震により淀川に流出した有害物質が与える浄水場での取水影響の全体像予測
白 皓東尾崎 亮介米山 望東海 明宏
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2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18174

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抄録

 事業所で貯蔵している有害物質が地震発生時に河川に流出し,津波の河川遡上に伴い,浄水場の取水口に到達し,取水に影響を与えることが懸念される.本研究では,近い将来高確率で起きる南海トラフ地震が発生した時に淀川大堰周辺で有害物質の流出が起きることを想定し,浄水場の取水影響を様々な条件を変化させて予測した.

 その結果,有害物質が大堰から約1km以上下流で流出した際取水口に到達しないこと.有害物質の流出量が増加した場合,最大濃度が増加するものの,取水停止時間への影響は小さいこと.複数有害物質が同時に流出した場合,単独流出とは異なる挙動を示すことなどが示唆された.本研究の結果から,有害物質拡散挙動は複数の要因により複雑に変化するため, 取水影響を考える際には,現実的な条件下で様々な解析をする必要があると言える.

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© 2024 土木学会
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