2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18188
再生可能エネルギーの需要増加に伴い,浮体式洋上風力発電施設の施工に関する検討が急がれている.中でもスパー型浮体式洋上風力発電施設の施工において,起重機船から吊られた風車部(タワー,ブレード,ナセル)を,スパー型浮体に搭載する施工が検討されているが,波や風,流れによる動揺が懸念されている.このような施工時の作業可否判断や作業稼働率の算定には,複数浮体が干渉し合う条件下における動揺量の把握が必要不可欠である.本研究は,今後の浮体式洋上風力発電設備の施工計画に資することを目的とし,起重機船から吊られた風車部をスパー型浮体へ搭載する過程を模擬した水理模型実験を行い,各浮体の動揺量および吊索に作用する張力を把握して若干の考察を加えた.