2024 年 80 巻 2 号 論文ID: 23-00004
本論文では,任意形状を有する大規模PC構造の緊張に対して,開発したプレストレス導入時に生じる摩擦などの影響を取り扱うことができる緊張解析法が合理的であることを,まず,3径間モデル橋に関して,従来解析法による断面力,たわみを提案解析法による値と比較して検討した.続いて,実際に施工された6径間連続ラーメン箱桁高架橋の設計に用いた解析値と提案解析法による解析値との比較を行い,従来解析法の精度向上を議論した.そして,最終的にこのような構造に対する合理的な緊張管理方法を提案した.これらを総合して,PC構造物の設計解析の一層の精度向上が可能となり,PC構造物の品質向上の趣旨を現実化できることが示された.