2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20040
“既存路線バスのバス停まで到達できない住民の増加”と“公共交通維持経費の増大”の狭間で,多くの自治体が苦慮している.その一因は(共助輸送を除けば)公共交通とマイカーの 2 つしか選択肢がない点にある.本研究では,パーソナル・ビークル(PV)に着目し,ラストワンマイル問題解消への PV の寄与を定量的に推計する.また,PV 利活用社会を実現する上で,PV に対する住民の利用意識,走行環境,入手環境が同時に整うよう関係者が協調しなければ状況の改善が図れない相互依存的構造が存在していることを指摘し,この構造を打破して PV を利活用しやすいしくみを公的に整備するための自治体支援パッケージの設計枠組みを提案する.