2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20052
本研究ではPERT/CPMを参考に,「結節点駅で必ず短時間で乗換が実現する公共交通網(同期運行ネットワーク)」の条件を最小費用で構築する計算手順確立が目的である.PERT/CPMでは大別して余裕日程解消段階とその後の追加的改善段階に分けられ,前者ではクリティカル作業とフロートの確認,フロートを解消しながらクリティカル作業の日程短縮が繰り返し行われる.一方,同期運行ネットワーク構築でも,結節点での待ち時間解消とその後の追加的改善に大別できる.前者の作業が本研究の対象であり,結節点間の時間的距離と運行周期からPERT/CPMでのフロート相当の待ち時間を求め,待ち時間解消およびリンクの所要時間短縮をネットワークの断面において繰り返し実施するという計算手順を経ることで,同期運行ネットワークが実現できることが確認された.