2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20056
本研究では,意思決定者が合理的に不注意になる状況を記述する行動モデルの枠組みを拡張して,(1) 観光客ドライバーが交通状況を誤認する状況,(2) ドライバーの交通情報獲得と利用経路の同時選択状況,(3) OD 需要の変動が要因で交通状況が変動する状況を一体的に記述する Nested Logit 型交通行動モデルならびに交通均衡配分モデルを構築した.観光地からの帰路を模擬した単純ネットワークを用いて,情報獲得難易度の低減や立寄りクーポンの提供が経路選択行動へ及ぼす影響の数値分析を行ったところ,クーポン提供のみでは混雑改善効果が高まりにくい可能性や,情報難易度低減と増額を同時に行うと逆効果となる場合があることなどが示唆された.