2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20085
近年全国各地で導入が進んでいる観光列車は,沿線地域の魅力向上・発信や地域資源の有効活用等の価値があるという点において日常利用する列車との違いを有している.本研究では,全国の観光列車を対象としてその運行実態を把握するとともに,列車の魅力要素をもとにしたクラスター分析による類型化を行うことで,列車の特徴と路線や地域の特徴との関係を整理した.クラスター分析の結果から,全国の観光列車を「車窓型」「デザイン型」「サービス型」「網羅型」の 4 つに分類した.また,各類型における分析結果から,「網羅型」の所要時間が他のクラスターと比較して有意に長いことなどを明らかにし,地域資源を活用する手段の一つとしての観光列車について,どのような地域でどのような魅力を活用した観光列車を運行できるかという政策的示唆を得た.