2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20084
水害や地震のような災害では,負傷や家屋の損壊などで直接的に深刻な被害を受ける人々だけでなく,交通サービスや生活サービスの停止によってスケジュールの変更を余儀なくされる人々も多く存在する.この影響は各個人にとっては比較的軽微だが,影響人数の大きさから,社会的な影響としては無視できない可能性が高い.そこで,本研究では,日常的な行動に対する災害の影響に着目し,その程度を計測するアプローチを提案する.まず,提案したアプローチを 11 都市・34 の災害事象に適用して,それぞれにおいて検出される変化を明らかにした.その結果,一部の水害では「事前増加」と名付けるような備えの行動が検出されたこと,提案したアプローチでは複数の影響間で日常行動の被災程度を定量評価できることを明らかにした.