2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20093
近年,コミュニティバスからタクシーや自家用車を活用した個別輸送サービスへの転換を図る自治体が増加しているが,サービスの採算性と利便性を同時に確保することは容易でなく,現状のままでは維持できなくなる状況も見受けられる.本研究では,それらの課題解決のために,タクシーとボランティア輸送を一体的に運営する公共交通サービスの仕組み「準交通空白地有償運送(仮称)」に着目し,地方に住む高齢者を対象とした WEB アンケートを行い,同サービスの利用意向に影響を及ぼす要因について SP 調査により把握することを試みた.分析の結果,割引率,ドライバーとの関係性,ドライバーの性別,事前予約の期限,希望到着時刻とのズレが,利用意向に有意な影響を与えることが分かった.