2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20115
我が国では,運航分野における CO2 削減に向けた取組として持続可能な航空燃料である SAF の導入が注目されているが,短期的に実行可能性の高い運航方式の改善による削減効果についても十分に検討を行う必要がある.運航方式の改善においては,経路短縮等の飛行経路の改善のみでなく,速度抑制による CO2 削減に関する検討も有益であると考えられるが,その効果や実現性については十分に明らかにされていない.そこで,本研究では動的計画法による軌道最適化を用いて,羽田―福岡路線における燃料削減ポテンシャルを推計した.その結果,路線によって CO2 削減効果が異なることを示し,その要因について考察を行った.加えて.速度抑制が乗客や航空会社に与える影響を分析し,今後の CO2 削減策に関して検討を行った.