2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20116
平常時においては,人々の活動や車の移動を予測・再現する方法として,ミクロシミュレーションが利用されるようになってきた.一方で,災害時の交通は,被害状況などの様々な要因によって変化するため,事前の把握と予測が非常に困難である.そのような状況において,リアルタイム性を持つ観測データが収集されるようになり,その活用が様々な分野で進んでいる.そこで本研究では,人々の行動から交通状況の再現に至るまでの一連のミクロシミュレーションにリアルタイム性のある観測データを組み合わせることで,状況に応じた人々の移動を予測・再現するモデルを構築し,その適用可能性を検証した.その結果,一定の再現性が担保できることを示し,今後のデータ活用方法についての示唆を得た.