2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20118
地方部を中心に中心市街地の賑わいの低下が大きな課題となっている.賑わいを創出するためには来街者の回遊を促進する要因を把握することが重要である.本研究では携帯電話のGPSビッグデータを用いて,千葉県柏市中心市街地の来街者の行動特性を把握し,回遊に寄与する要因を探った.本研究で用いるGPSデータは携帯電話のアプリから取得されたものである.分析では,まずMNLを用いて施設選択モデルを構築し,遊びや食事・買い物ができる比較的大型な店舗を有する建物が選択される傾向にあることを示した.次に滞在時間・移動距離・回遊面積の各指標と建物利用との関係について分析した.その結果,柏では物販(衣料)利用者の滞在時間が短く,範囲も狭いことを示した.また,分析を通してアプリ型GPSデータの適用可能性を探り,分析手法を示した.