2024 年 80 巻 21 号 論文ID: 24-21001
高速道路舗装では,長期的な耐久性から下層路盤には,寒冷地域を除き,セメント安定処理下層路盤を適用している.数十年にわたり交通荷重を受けたわだち部を開削調査した結果,下層路盤上面には圧密沈下と考えられる永久変形やセメント成分が中性化により非固結となり,耐久性が失われていることを確認したことから,各種の実験等を実施し,これらの原因解明を試みた.その結果,セメントの水和関連物質による微細構造がセメント安定処理路盤の長期耐久性に影響していること,変状の原因として水と二酸化炭素だけではなく,凍結防止剤がもらたす影響を確認した.また,変状メカニズムを推察するともに,これらを踏まえたセメント安定処理下層路盤の耐久性を向上させる方策を提示した.