2024 年 80 巻 21 号 論文ID: 24-21002
道路舗装インフラを計画的・効率的に管理・運用していくためには,舗装の現状を的確に判断したうえで将来の劣化予測を行ない,適時,適材適所の維持,修繕を行うことが肝要である.このためには舗装損傷の発現の仕方とその進展メカニズムを明らかにすることが不可欠と考える.本研究では,骨材とアスファルトの相互作用に着目し,損傷,破壊の発現の仕方とその進展メカニズムを,アスファルト混合物を非破壊で計測可能なSPring-8のX線CT装置による微視的計測により検証し考察した.その結果,骨材からのアスファルト剥離,アスファルトの凝集破壊,および骨材同士が接触している箇所が損傷起点となりうること,ならびにアスファルトの剥離抑制に有効な手法があることを確認した.これらを踏まえ,舗装損傷の抑制に資する手法を考察した.