2024 年 80 巻 22 号 論文ID: 23-22023
道路管理者は,道路舗装の損傷を把握するため目視点検や路面性状調査を実施しているが,人手不足や費用面の課題がある.そこで,車載カメラで撮影した動画像に深層学習による画像解析を適用し,わだち掘れを検出する手法が注目されている.既存研究では,一眼レフカメラやビデオカメラ等を用いた手法が実証されているが,手軽に利用できるドライブレコーダやスマートフォンの動画像を用いて検出できると,インフラDXの加速化が期待できる.
本研究では,ドライブレコーダとスマートフォンで撮影した4Kの動画像の輝度を表すガンマ値を補正し,深層学習による画像領域分割を用いてわだち掘れを検出する手法を考案した.その結果,Mask R-CNNは誤検出が,YOLOv8は検出漏れが少ないモデルを構築でき,実用化に向けて有用な示唆を得た.