2024 年 80 巻 24 号 論文ID: 24-24004
わが国の「ものづくり」は都市部に散在する中小の町工場群によるところが大きい.しかしながら,近年,中小町工場は,経営者の高齢化などの影響により,休・廃業が散見される.休廃業した工場跡地は,単身者向けマンションを中心とした住宅地に供される場合があり,その結果,住工混在の問題も現出している.そして,奇しくも住工混在エリアは,低地帯に存在することが多く浸水の懸念もある.ものづくりの地域特性を維持しつつ,災害に強く持続発展可能なまちづくりの手法を検討することは工学的に意義がある.本研究では,中小の町工場の活性化,住工混在問題,激甚化する水害への対策を考慮し,都市計画手法である土地区画整理事業による問題解決の手法を提案した.そして,東京都大田区エリアを対象として,その手法を適用し妥当性を検討した.