2024 年 80 巻 24 号 論文ID: 24-24005
20世紀の生産現場では,生産性・品質・安全・信頼性の順に管理が分断化されてきた.その結果,今日では,安全は安全管理だけでは守れなくなってきており,それらを統合した管理が必要であるとするHollnagelは,安全は分析ではなく創出するものとして“Synesis(統合)”を提唱した.筆者らはFRAMを用いた安全管理手法を提案してきたが,近年の建設業の災害は安全管理だけでは防止できない事象が発生している.品質・原価・工程・安全に対する信頼性が保たれ,それにより生産性を確保し安全を得るために,それらを統合した管理が必要となる.本研究ではFRAMにおける変動の影響の把握に,品質・原価・工程・安全面での評価を用いたリスクアセスメントを例示した.この方法により安全に影響を与えるリスクがより把握し易くなる.