2024 年 80 巻 24 号 論文ID: 24-24015
国土交通省では,傾斜度が30度以上の崩壊するおそれのある急傾斜地で多くの居住者に被害のおそれのあるもの,また崩壊が助長・誘発されるおそれがないよう一定の行為制限の必要がある土地の区域を急傾斜地警戒区域と指定している. 指定のための基礎調査を行うには膨大な労力とコストがかかるため, 効率化や自動化が期待されている. 本研究ではコスト縮減と作業の効率化を目的に深層学習の手法を用いた急傾斜地警戒区域の抽出を試みた. 手法は, 深層学習による画像セグメンテーションの代表的なU-Netをベースにモデルを構築し, 急傾斜地警戒区域と数値標高データを学習させた. モデルには過学習を防ぐためにDropout層を追加した. 任意の画像サイズに分割したデータでは, 標準化の前処理を加え, 精度は80%まで向上した.