2024 年 80 巻 25 号 論文ID: 24-25035
下水処理場における運転管理者の減少に対応するため,熟練技術者の運転を再現し技術継承に寄与するAI技術の開発と導入が求められている.本研究では,下水処理におけるAI技術の需要や活用可能な操作項目を把握するためにアンケート調査を実施した.その結果,特に送風量や余剰汚泥引き抜き量の設定値変更にAI技術が活用できる可能性が示され,運転管理者からの需要が一定程度あることが分かった.さらに,実際の下水処理場に運転判断の支援を行うAI技術を導入し,実証試験を行った.12個の操作項目においてAIによる推論と当該下水処理場の熟練技術者の判断を比較した結果,約90%で判断が一致し,AIによる推論が実際の下水処理場の運転判断支援に活用可能であることが示された.