2024 年 80 巻 26 号 論文ID: 24-26007
水源地域で増加傾向にある放棄農地において,ネイチャーポジティブの観点から適切な自然再生の手法を明らかにすることを目的として事例調査を行い,環境要素と人為的働きかけの要素を考慮し14サイトの自然再生の類型化を試みた.その結果,主に乾燥~湿潤の条件,及び人為的働きかけ~遷移を考慮することによって,事例サイトは9タイプに類型化された.そして,各タイプのハビタット機能を高めるための手法とそれによって創出されるハビタットについて提示した.加えて,放棄農地の自然再生の適用にあたって考慮すべき事項として6項目を関係者の聴き取り調査から抽出し,それらで9タイプを評価することで各々考慮すべき事項を示した.