土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(環境システム)論文
被覆資材の違いが環境制御型施設園芸のGHG排出量と事業性に及ぼす影響の評価
中村 洸太中尾 彰文吉田 登
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2024 年 80 巻 26 号 論文ID: 24-26018

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抄録

 労働集約的な作業の担い手不足といった生産活動を阻害する要因が顕在化する状況下で,農林水産業には脱炭素化が求められている.こうしたなか,食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立を目指す,「みどりの食料システム戦略」が策定された.この戦略では,施設園芸分野において,2050年までに脱化石燃料への完全移行を目指すことが示されている.それに対応する技術革新までの短期的なトランジション戦略として,環境効率の優れた被覆資材を選択することが重要といえる.本研究では,被覆資材における外張り資材と内張り資材の組み合わせの違いが,環境制御型施設園芸のGHG排出量と事業性に及ぼす影響を分析し,環境効率に優れた組み合わせを評価した.その結果,透明度が高く光透過率の経時的変化が少ないが高価な被覆資材であるETFEを外張り資材とし,熱貫流率が小さい農ビを内張り資材とする組み合わせが,もっとも環境効率が高いことを明らかにした.

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