数値地理と空撮の情報を用いた樹木による土砂生産緩衝の効果の評価

抄録

　本研究は，土砂流出緩衝効果の期待できる樹木の樹間距離，面積，平均樹齢，平均樹高，斜面傾斜度の普遍的な環境場の条件による特徴を明らかにして生態系を活用した災害への対策の希少な知見を得ることを目的にする．五福谷川を対象域に設定して，数値地理情報やUAVを利用した空撮の情報を基に樹木の樹間距離などによる環境場の条件に着目した土砂生産緩衝効果を検証した．結果として，土砂生産の集中した地域で土砂緩衝している事例を抽出した．また，土砂緩衝には，樹間距離などの森林帯を形成する環境要素が寄与している可能性を把握した．森林形成の環境要素は，時間に応じて変化するため，維持管理の必要性が重要になる見解を得た．