2024 年 80 巻 3 号 論文ID: 22-00011
本稿は,米国のノーマル町で実施された道路空間再編による空間整備事業を対象に,文献調査とインタビュー調査によって事業実施のプロセスや空間デザインに着目した上で,事業の実施体制およびその事業評価を明らかにした.本事業はラウンドアバウトの中央島部分が広場空間として設計されている点が特徴であり,竣工まで比較的長期間を要しているが,Uptown Development Directorが本事業を含む再開発計画全体の進捗管理やデザイン監理を行うことで,高い事業評価を受ける公共空間を創出することができた.具体的には,交通安全の確保や環境改善効果などの地域課題に寄与するとともに,地域住民の意見に応えたデザインを施すことで竣工後のアクティビティを誘発し,地域の資産価値向上や貯水機能上昇などの効果が顕れていた.