2024 年 80 巻 4 号 論文ID: 23-00260
本研究は波浪予報値の的中率の定義を明確にし,また予報値の誤差を定量化して,海上作業可否の前日判断を行うための方法を検討した.そして,秋田港と常陸那珂港を対象として,前日判断の具体な方法を示した.その結果,最も簡単で容易な判断法は,対象地点における観測値の予報値に対する誤差を調べ,誤差の2乗平均平方根値(RMS)を用い,予報値にRMSを加えた値が作業限界波高より小さいか否かにより判断する方法であった.また,防波堤設計等において従来より用いられる安全率を用いる方法を検討した結果,本研究で提案した確率的評価によって求めた安全裕度は安全率法による予報値の割増し量(2割)とほぼ一致することを示し,安全率法を次善の方法として提案した.