2024 年 80 巻 5 号 論文ID: 23-00234
鋼橋のソールプレート溶接部には疲労き裂の発生例が多く報告されており,過去からき裂発生原因や対策方法が検討されてきた.ただし,従来は事後保全対策の検討が中心であり,これまでのところ実用的な予防保全対策は確立されていない.本研究では,ソールプレート溶接部前面に発生する止端き裂およびルートき裂に着目し,有限要素解析および疲労試験により,ピーニング処理およびタップボルトを用いた予防保全対策の検討を行った.その結果,ソールプレート溶接部に圧縮の変動応力が作用する条件下において,ピーニング処理による止端部の疲労強度改善効果,および,タップボルト工法によるルート部の疲労寿命延伸効果が得られることを明らかにした.