2024 年 80 巻 6 号 論文ID: 23-00191
耐候性鋼橋梁の維持管理のためには,さび状態の定期的なモニタリングが必要である.近年,さび状態評価方法の簡易化や定量化のための研究が盛んに実施されている.本研究では,耐候性鋼材表面の可視光および近赤外線における光学スペクトルと教師あり学習分類器を組み合わせた評価方法を提案した.はじめに,ハイパースペクトルカメラを使用してさび状態の異なる耐候性鋼材表面の光学スペクトルを1cm2毎に測定し,測定された光学スペクトルの1次微分から波長569nm,波長694nm,波長796nmおよび波長896nmがさび状態評価に有効な波長であることを明らかとした.次に,これらの波長における反射強度に対してカーネル主成分分析を適用して第1,第2主成分を抽出し,これらを使用してランダムフォレスト分類器を構築した結果,評価精度は90.7%であった.