2024 年 80 巻 6 号 論文ID: 23-00264
手取川において,過去の河川水辺の国勢調査で得られた植生図データを用いて,外来種と在来種の別,河床変動を含む物理環境に基づく植物群落の分類手法を提案し,外来種(ハリエンジュ及びシンジュ)の侵入・拡大過程を解析した.その後,外来種の拡大に影響を与える河道内地形を特定し,その地形を再現する河床変動計算の計算条件を分析した.その結果,提案した分類手法は,既往研究よりも外来種・在来種を分類し河床変動特性も考慮して,植物群落をより適切に分類できることを示した.外来種の侵入・拡大に影響を与える河道内地形は,主流路と洪水時の二次流路の水際であることを明らかにした.河床変動計算による二次流路の再現には,上流端流量を流量の1時間値とし,粗度の設定に河川水辺の国勢調査の植生図を用いることが有効であることを示した.