2024 年 80 巻 7 号 論文ID: 23-00275
本報告では,東日本大震災に関連して整備された国営追悼・祈念施設を含む震災復興祈念公園である高田松原津波復興祈念公園において設計コンセプトおよび空間デザインを考慮したアンケート調査を実施し開園3年目の利用状況を把握した.さらに来訪者が当該公園に対して抱く認識の観点から主体を類型化した結果,「防災学習重視」「松原景観想起」「海への追悼・祈念」「多面的機能享受」「象徴的復興祈念」の5つの主体類型を抽出し,属性や来訪目的との関係から高田松原津波復興祈念における来訪者像を抽出することができた.さらに,印象に残った施設との関係から来訪者像の相対的な特徴を考察し,今後の維持管理・運営に向けた基礎情報を報告した.