高速道路の老朽化に伴うプロジェクトが全国で本格化しており,このうち鋼橋の床版取換工事がプロジェクト費用の大半を占める.その中でも人力作業の割合が高く,それに伴う作業の長時間化を避けられない鋼合成桁橋の既設床版撤去の合理化技術を開発した.開発にあたり,二つの合理化技術の有効性を確認するための要素実験と,その結果を踏まえて選定した技術の施工性を確認する実物大実験を実施した.まず要素実験では,床版上面から大型ウォールソーでスタッドジベル胴部を切断する方法が有効であることを確認した.次いで,橋梁床版部を実物サイズでモデル化した供試体で施工実験を実施し,既設床版コンクリートを破砕せず,形状を保持したままブロック毎に撤去できることを確認した.本技術は高速道路橋の鋼合成桁橋で試行し無事施工が完了している.