2025 年 81 巻 10 号 論文ID: 24-00114
変化の激しいビジネス環境の中で迅速にソフトウェアを開発する手法としてアジャイル開発が注目されている.本研究は,睦沢SWTを対象に,システム開発担当者が特定少数の現場チームと連携を図りながら,3ヵ月間でFM支援用IoTシステムの内製開発をアジャイル的に実践したプロジェクトの効果を評価することを目的とした.このプロジェクトのプロセスを,アジャイルソフトウェア開発宣言から抽出したアジャイル度や,費用,関係者の意識などの観点から評価した結果,開発者と現場チームがスムーズに連携でき,合理的な予算でスピーディにリリースでき,室内環境の品質向上や空調の省エネ効果を確認できた.さらに,開発後に現場チームからICTを活用したいという要求がみられ,現場チームのICTへの関心向上といった効果も確認できた.