2025 年 81 巻 13 号 論文ID: 24-13494
2024年元日,能登半島で発生した地震は,建物の倒壊,火災,土砂災害,液状化,津波などによって,様々な被害をもたらした.日本では,地震災害経験から多くを学んできたが,いずれも地域や地震の発生時間や特徴によって,被害の様相も異なっている.特に,沿岸部における液状化と津波災害は重要な問題であるが,それぞれが別個の議論となっており,連続して起きる現象である認識は薄いのが現状である.本論文では,既往の特徴的な被災事例を示すとともに,能登半島地震における液状化被害の調査を行い,噴砂上の避難に関するヒアリング調査を実施し津波避難の際の障害になり得る可能性を示唆した.また,噴砂で覆われた道路の移動実験を行い,避難速度の低下を把握することができた.