2025 年 81 巻 13 号 論文ID: 24-13502
本研究では,2024年能登半島地震において,周辺の木造建物全壊率が調査されている地震観測点を対象に,性能等価加速度応答スペクトルによって,木造建物モデルの最大応答変形角を評価した.また,建築年代ごとの耐力分布と最大応答変形角に基づき,各年代の木造建物全壊率を計算した.解析の結果,周期1~2秒の地震動が大きい地点では,木造建物の全壊率が高い値となった.最後に全年代の木造建物の全壊率を被害調査結果の値と比較した.また,周辺よりも地震動が過大と考えられる地点を対象に,補正した地震動をもとに,全壊率を再評価したところ,補正前に比べて,被害調査結果との誤差が大幅に低下した.