2025 年 81 巻 13 号 論文ID: 24-13507
2024年4月3日7時58分(現地時間)に発生した台湾・花蓮おける橋梁の地震被害について,現地調査に基づいて報告する.著者らは地震発生後から約3か月後の2024年6月24日から26日にかけて被災地の現地調査を実施した.花蓮市内で観測された地震動の強度は,日本の道路橋示方書におけるレベル1地震動以上・レベル2地震動以下であった.また,花蓮県内の橋梁の主な地震被害状況として,主桁と落橋防止用の変位制限構造の衝突に伴う損傷,壁高欄の損傷,橋台背面土の沈下に伴う段差などの被害が見受けられた.また,震央から約135km離れた新北市では,MRTの高架橋の鋼箱桁に,軌道直角方向の残留変位(ずれ変位)による被害が確認された.