2025 年 81 巻 13 号 論文ID: 24-13518
本研究では,小・中学生を対象として防災リテラシー強化に向けて知見を得ることを目的として,地震・津波時の現象を知り備えることの重要性を伝える出前講義を行い,講義前と講義後に質問紙調査を実施した.得られたデータをもとに講義前と講義後の小学生と中学生をそれぞれ異なる母集団として「地震・津波時の現象を認知すること」の影響を共分散構造分析により推定した.講義後には講義前に比べて「地震・津波時の現象を認知」が及ぼす影響は,小学生では「南海トラフ地震認知」に,中学生では「専門的用語の見聞」に対して統計的に有意に増加した.さらに中学生については,「地震・津波時の現象を認知すること」が「地震時避難行動を想定すること」に及ぼす影響も統計的に有意な増加傾向が見られた.