2025 年 81 巻 14 号 論文ID: 24-14003
FRP水門扉は,設計基準に準拠して許容応力度,たわみ度に基づいて設計・照査されるが,実構造物を対象とした安全性,使用性に関する限界状態は十分に議論されていない.本研究では,小形FRP水門扉の構造特性の把握と合理的な設計法の構築を目的として,現行設計に基づいた2種類の小形FRP水門扉および小形鋼製水門扉を対象に,破壊に至るまでの水圧実験を行って,限界状態を把握するとともに,FEM解析により,設計水圧に対する合理的な断面の検討を行った.検討の結果,設計されたFRP水門扉は,たわみ度が設計に支配的であるが,十分に安全で余裕があることから,合理化できる可能性があること,また,たわみ度を満足する最小部材高さを検討した結果,部材高さをより小さくできることがわかった.