2025 年 81 巻 15 号 論文ID: 24-15016
近年,地上から1橋りょうずつ計測されてきた鉄道橋の桁たわみを,車上計測された軌道変位から推定する方法論の開発が急速に進んでいるが,国内鉄道で多用される2台車検測方式で得られた軌道変位と桁たわみの理論的関係や推定法は十分検討されていない.本研究では2台車検測方式で得られる2組の軌道変位の差分(高低検測差)が桁たわみ最大値に比例することを理論的に導出し,高低検測差から変換係数により桁たわみを推定する手法を開発した.実路線での精度検証の結果,隣接桁のたわみの影響により単連の梁理論に基づく変換係数では推定精度が低いこと,同種の桁が連続する場合に適用可能な簡易な補正法により対象桁では誤差5%程度まで推定精度を改善できることを示した.